急激な変化と乱気流の時代にあっては、大きな流れそのものを機会としなければならない。その大きな流れは、ニュー・エコノミーではなく、ネクスト・ソサイエティの到来である。若年人口の減少、労働力人口の多様化、製造業の変身、企業とトップマネジメントの機能・構造・形態の変容である。この局面に応じた戦略なくして成功はありえない。         −P.F.ドラッカー(要約)

2006年07月27日

2006年版県別生産性比較

財団法人 社会経済生産性本部

生産性の第1位は東京、第2位は大阪、第3位は滋賀
一人あたり県民総所得も東京が第1位、第2位は愛知、第3位は滋賀

財団法人社会経済生産性本部(理事長 谷口恒明)は、『2006年版県
別生産性比較』をまとめた。
今回のレポートでは、労働生産性について都道府県別に測定・比較し、
その推移や産業別の比較をおこなうととともに、「豊かさ」を表す県
民総所得などについて分析し、生産性の観点から各都道府県の特徴を
明らかにしている。
当本部はこれまで、1996年と1997年の計2回、同様の分析をおこなっ
ており、今回はほぼ10年ぶりの測定になる。資料は内閣府経済社会総
合研究所「平成15年度県民経済計算年報」 (2006年3月発表)および総
務省「平成13年事業所・企業統計調査報告」(2004年6月刊)によって
いる。

主な結果は以下の通り。
1.47都道府県で、2003年のマクロの労働生産性が最も高かったのは
東京の1001万円であった。第2位は大阪の901万円、第3位は滋賀の878
万円であった。
2.県民1人当たり県民総所得の第1位は東京の606万円、第2位は愛知
の464万円,第3位は滋賀の422万円であった。
3.1990年から2003年にかけて最も労働生産性の改善率が高かったの
は福島で、年率平均1.9%であった。第2位は大分(1.8490%)、第3位は
岩手(1.8485%)であった。
4.各県の産業構造の特徴としては、滋賀が製造業に,東京は金融保険
に,沖縄は商業等に特化していた。
5.産業別労働生産性では、最近年の2001年度で、製造業は和歌山、建
設業も和歌山、金融保険は東京、商業等も東京がNo.1になっている。
6.県民1人当たり県民総所得に関するジニ係数をみると、ここ10年格差
は拡大も縮小もしていない。
【お問合せ先】財団法人社会経済生産性本部生産性総合研究センター
担当:本間 TEL.03-3409-1137 FAX.03-3409-2810
→詳細
posted by ComPus 地域経営支援ネットワーク at 15:19| Comment(0) | TrackBack(1) | 地域レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月22日

地域経済レポート:九州の外客誘致と観光業に参入する外資系企業

2006年07月18日
JETRO
日本経済情報課

要旨:
 九州への訪日外客は年々増加しつつあり、なかでもアジアからの入国者
数の増加が顕著である。こうしたアジアからの活発な観光客の往来に加え
て、九州の豊富な観光資源をビジネスチャンスととらえ、九州の観光施設
を買収する外資系企業の動きがみられる。例えば、ゴルフブームの韓国で
は、九州に多くの韓国人観光客が訪問する(ヒトの流れ) が、こうした流れ
に着目した韓国資本が九州のゴルフ場を買収する(カネの流れ)動きがある。
こうした投資活動は、さらなるヒトの流入をもたらす循環を醸成してお
り、地域の活性化にも資するとみられる。

→本文
posted by ComPus 地域経営支援ネットワーク at 12:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 地域レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月01日

大隅半島と鹿児島市の中心市街

職場の仕事で鹿児島県の鹿屋市(大隅半島)、薩摩湾を挟んで反対側の鹿児島市(薩摩半島)へ行ってきた。訪問地で見聞きしたことをここにレポートする。

1)大隅半島
 薩摩湾の東側に位置する大隅半島は、JRが廃線になった後はまさに陸の孤島。裏を返せば開発が遅れた分、自然が豊富で、農業は県内随一。中には蛤の陸上養殖をするなど、決して技術が遅れているわけではない。
 驚くことに、この交通不便な土地(鹿屋市は薩摩湾北方の鹿児島空港からタクシーで一時間以上)にも関わらず、海外留学、国際結婚が珍しくない。理由はグリーンツーリズムの先駆け的活動であり、なおかつ国境を越えた交流である『からいも交流』にある。これは、かつて中国からさつまいも(からいも)が日本に入り全国へと広がる薩摩の財産となったように、鹿児島に来る留学生を第二のからいもとして位置づけ、農村ホームステイによる交流を通じながら、留学生との絆を地域の財産としたことに端を発する。1982年に始まったこの活動は2000年には70ヶ国3,000人以上の留学生を受入れ、今もなお草の根の国際交流として続く。

↓からいも交流の主催者(財)カラモジア
http://www5.synapse.ne.jp/karamosia/toha.htm

 今でこそ長野や岩手など、グリーンツーリズムがもてはやされているが、グリーンツーリズムという概念がない頃から、しかも留学生とはいえ言葉が通じない外国人を泊めるというのは、大変な発想の転換が必要だった。このような転換が可能となったのは、この土地では過疎化、高齢化、農業を基盤とした生活に対する危機が既に起こっていたことが大きな理由と言えるだろう。そしてこれを無事に受入れた地域の人々は、外国人といううってつけの鏡を通すことで、大きな自信を取り戻し、外に向かって開かれたネットワークを構築することに。今では対象とする留学生も、全国の大学からやってくるそうだ。
 また、大隅半島の南部に位置する根占町では、4桁もの人がくるドラゴンボート祭り、ど田舎の未来を考えるという異業種交流会「ねじめサミット」(毎年2月開催)があるなど、まちづくりの活動が活発な印象を受けた。「ねじめサミット」には東京からの来訪を含め550名もの人が集まるそうで、根占で知り合った東京の参加者が「ねじめ東京サミット」を立ち上げ、こちらは毎年5月にあるとか。コンパスとの共同開催も面白いと商工会会長の肥後さんと話が盛り上がった。九州最南端の高校「南大隅高校再生プロジェクト」の話なども持ち上がっており、今後が楽しみな地域である。

↓第五回ねじめサミットの様子
http://www.synapse.ne.jp/nejimecho/depart/kikaku/kikaku.index.html


2)鹿児島市の商店街とウォーターフロント
CIMG0054.JPG CIMG0055.JPG CIMG0050.JPG

 目抜き通りである天文館を歩いたが、平日の昼間だというのに人通りが多い。そして商店街を覆うアーケードが非常に広い範囲にわたっていると感じた。中には最近できたばかりのアーケードもあるようだ。最新のものは日の明るさをできるだけ内部に取り入れられるようになっているようで、他のアーケード街よりも明るい印象(写真参照)。また、商店街にはベンチなどがところどころに配置されており、歩き疲れた買い物客には嬉しい配慮である。

↓天文館商店街
http://www.or.tenmonkan.com/
↓天文館どっとこむ
http://www.tenmonkan.com/newindex/

 天文館に入ってすぐ、魅力的なお店を見つけた。店の名は「菓々子横丁」(薩摩蒸気屋が経営)。店の中を狭い路地のように一本の通路が横切っており、向こう側の通りまで通り抜けできる。路地にはベンチ、真ん中あたりに吹き抜けと噴水があり、吹き抜けを境に手前と奥とでまた趣が違う。2階はお洒落な和風喫茶とギャラリー。喫茶では、お店のお菓子がいただける。このほか脇道にもお洒落で個性的な店が軒を並べ、魅力を感じた。また商店街の外の繁華街も、地元の人が言っていたが、東京の赤坂と遜色ないぐらい賑やかである。

CIMG0070.JPG CIMG0071.JPG
↓菓々子横丁
http://www.tenmonkan.com/shopdb/shopdb.php?shopid=892

 市電の天文館停留所から東へ向かうと4月にオープンしたたばかりというウォーターフロントのショッピングモール「ドルフィン・ポート」(2階建)がある。飲食店と土産物屋がほとんどだが、海側の木でできたデッキから優美な姿の桜島見えて気持ちがいい。2階はほとんどオープンテラスである。嬉しいのは、全国的なチェーン店が入っているものの、山形屋の食品店、鹿児島の焼酎をずらりと並べた店舗(薩摩酒蔵)など、店の半数近くが地元の店舗であるということ。開発をした企業を見て納得。山形屋(地元の百貨店)を中心とした企業連合が開発している。店のほとんどが全国チェーンで埋まらなかったのは、県外から来る観光客にとっても魅力がある。バリアフリーが配慮されているところも嬉しい。訪問した時間帯のせいかそれほど賑わった感じはしなかったが、近隣にこのような施設がないため競争力はある。居心地の良さや新鮮味を保ち、多様な世代をターゲットとすれば、地元の人から愛される場所として定着するのではないだろうか。

CIMG0067.JPG CIMG0066.JPG
ドルフィン・ポート
http://www.dolphinport.jp/
posted by ComPus 地域経営支援ネットワーク at 07:00| Comment(0) | TrackBack(3) | 地域レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月14日

2005Mar.11 蔵まちえさし活性化セミナーin岩手県江刺市

題目:江刺の長所と今後の課題〜新潟県村上市との比較を通して
主催:江刺商工会議所

江刺 専務  吉川さん  江刺会場
(左:江刺商工会議所専務理事、中:村上の観光カリスマ吉川真嗣氏、右:藻谷氏の講演風景)

1.過去の再開発は今どうなっているか?

全国の再開発で一斉に取り組まれたように、新幹線を通し、道路を拡張するといったことは、お金とブルドーザーさえあれば、どこの街でもできる。急激なスピードで乱開発した地域は、50年も経てば今の徳山(藻谷氏の出身地)のように無機質な街になってしまう。しかし、江刺のようにトロッコを持つ酒蔵など価値ある物を造るのは、大変なことである。

2.江刺と他所の地域経済比較とその理由

↓観光業が伸びる飛騨高山、同規模でまちづくりに挑む村上との地域経済比較。
江刺(人口約34,000人)、村上(人口約37,000人)、高山(人口約67,000人)
        (1985年→2000年のデータより)
江刺…就業者総数が減少。農林漁業と製造業が大幅減少。
サービス業と商業は向上。
村上…就業者数は減少に転じた。商業も製造業も農林漁業も停滞。
    サービス業(含む観光業)が増加し、建設業も増加。
高山…就業者総数が増加を継続。商業も製造業も農林漁業も停滞。
    サービス業が堅調に増加し、次いで建設業が増加。

東京からの交通アクセス
高山−バスで5時間半。電車でも4時間半。
村上−電車で3時間強。新幹線は途中まで。
江刺−電車で2時間10分。
全国的な雇用環境は、東京、大阪、そして名古屋までも軒並み減少。全国でほとんど同じ動きをしている。景気の良さそうな仙台でさえ、商業では売場面積が増えても、小売販売額が落ちている。これは、売場面積を急激に増やしたため、坪効率が一気に悪化、雇用まで減らさないといけない状況まで陥っている。実は、水沢江刺都市圏でも、状況は大同小異。全国がこのような状態。全国展開している大型スーパーでさえ、苦しんでいる時代に、特効薬などない。
このような環境にありながら、交通の便が悪く、山奥にある高山で雇用が増加しているのは何故か?
答は観光産業。全国から物好きが押し寄せていて、不便だからこそ泊まって帰る。飛騨高山の大工の匠は、街をショールームとして全国の神社仏閣を直しに出掛けている。技術では村上はそれ以上で、やはり全国からお呼びが掛かっている。高山の土産物の飛騨牛は、神戸から持ってきた牛を地元の飼料だけで育て、平成元年から始めた商品。観光で地域にお金を落としてもらうために、単価の高い物を…と考えた結果の産物。クール宅急便で全国に発送できるし、荷物にならないので、旅行者は身軽。元々あった資源を活用するだけでなく、新しいものも資源として作ってきた。そのような努力の結果として、観光客が増え、地域経済に潤いが生じている。経済と観光は、非常に関係が深い。

3.日本社会にこれから何が起きるのか?

戦争体験をした世代は、多くの時間を高度経済成長の時代を経験し、これからの日本社会が人口減少社会を理解することができない。中国や東南アジアでさえ、出生率の低下していることを知らない。日本の高度経済成長は、景気が良かったからでなく、人口が増えた結果として、そうなったに過ぎない。住宅で言えば、出生率が高く実家を相続ができない世代が溢れたから。だから今後景気が良くなったとしても、人口は減少しているから、家は余る一方となる。20年後、今の50代が70代になるのは、避けられない事実。少子化問題とは、全く関係ない。江刺について言うと、次のようになる。

       2000→2020年(全国)  2000→2020年(江刺市) 2000→2020年(首都圏)
 70歳以上 +1,166万人(+78%)  +800人(+12%)  +319万人(2.2倍)
 20~59歳  −961万人(−14%)   −2,600人(−15%)  −153万人(−9%)
 15~34歳  −953万人(−28%)   −1,700人(−26%) −250万人(−28%)

4.高齢化した先進国で何が起きているか?

観光産業というのは、場合によっては工場の10倍以上の一次雇用を生み出す産業である。高山のように交通が不便なところでは、泊まらないといけないので、旅館業が活気付く。宿泊を伴うと、飲食が増え、土産が売れ、クリーニングが忙しくなるというように、サービス業が勢いづく。飲食に地元産のものを使えば、一次産業が潤う。しかも、観光産業は、他の産業では難しい高齢者の雇用が可能になる。
実際に、人件費が高くなった人材を雇用するために、高齢化社会の先進国では、次の4つの産業が主要となっている。

・金融(欧州では田舎町にもたくさんの銀行がある)
・農業・加工食品(欧州のワインやチーズ。日本では酒や焼酎、漬物)
・ハイテク産業
・観光 ←先進諸国では、どこも必ず地域の魅力と表裏一体!

日本でもこの4つの産業が栄えるが、観光分野は中でも遅れている。ただ、江刺も村上も既に観光に力を入れているので、他よりも有利である。

5.江刺と村上 それぞれの長所と課題

   江刺の特徴                   村上の不利な点
蔵の多くを市民が救い、裏路地を残した。 街路整備の可能性が消えていない
話題となる歴史の舞台である。       全国的に有名な歴史や有名人はいない。
まちづくりをする企業やNPOがある。   有志の運動で行政や会議所の協力が弱い。
大きな資金をまちづくり関係者が投資。  大きな資金の取り組みは始まったところ。
蔵の町並みという外観が残っている。   外見は中途半端な近代化で良さが見えない。
交通アクセスがよく大都市に近い。     新幹線の駅から1時間以上。大都市が遠い。

   江刺の不利な点                村上の特徴
知名度が低い。                 マスコミの活用が上手く全国的に認知される。
蔵の価値を理解する市民が少ない。    観光の経済効果と経済外効果が市民に浸透。
蔵再生を行う職人が域内にいるか?    村上大工が町屋補修技術を伝承している。
県、国、JR、景観専門家などの認知は?  内外に広く認知され、応援団を持つ。
地場産業の連携が弱い。           温泉など地場産業との連携が密接。
地域有力者の理解は本物か?        地域有力者は皆、町屋の価値を理解。

江刺・村上ともに、味のある本当の日本建築を保有し、贅沢な食文化を持ち、商人町の魂を残している地域。
そして何より、都会よりもずっと活力にあふれた地域リーダーがいて、若者の取り組みがある。

江刺の街並み  江刺 集合写真  
(左:江刺の街並み、右:村上と江刺でまちづくりに貢献する人々)

  江刺 作業前  江刺 作業後
(左:村上の黒塀に学んで皆で作ることに、右:仕上がり後(黒板の裏には手伝った人の記名を))

CIMG2572.JPG  CIMG2573.JPG  CIMG2574.JPG
(街中にこんな贅沢な空間を持つ飲食店が!「横屋」)
posted by ComPus 地域経営支援ネットワーク at 07:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 地域レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月04日

2005Feb.06 山口県柳井市観光振興講演会

題目:柳井市の観光の課題と振興方策
〜脱団体時代の構造改革とお手軽改善〜
主催:柳井市ホスピタリティ推進協議会、柳井市商工観光課

yanaikoen  yanai  tenjin
(左:講演風景、中央:白壁の町並、右:天神商店街)

先日、「全国の商店街のうち面白いところはどこか?」というアンケート調査があり、60の商店街が選ばれた。商店街の道路を拡張しただけで道が整備された商店街が注目されていた一方で、全国一賑わっているとも言える佐世保の商店街が抜け落ちていた。大事なことはハード整備ではない。
客というのはちゃんと見ていて、厳しく評価している。その土地に住む人が努力をしてきたのかがハッキリと賑わいとして反映される。昭和40年代に栄えた宮島は今どうか?近隣住民の手によって宮島がより宮島らしくなり、行ったら一日ゆっくり宮島を堪能して過ごせるか?残念ながらそういう噂は耳にしない。
翻って柳井はどうか?徳山市出身者の私が子供の頃、歴史ある商都柳井として名が通っていた。1975年(昭和50年)に山陽新幹線が徳山に開通。柳井の人は新幹線が止まらないことが、柳井凋落の始まりだと思っている人がいる。近代工業化されて急成長した徳山から見れば、確かに当時の柳井は白壁の町並など目立たず、大して人目を惹くようなものがない普通の田舎町だった。ところが30年の間に何が起こったか。ハード整備をしまくって日本一広い道路を持つ10万都市徳山は、どんどん空き地が増え衰退の一途を辿る状態。一方、柳井は来る度に手作りで町並が綺麗になっている様子が伺えた。そして今、徳山に行く人はいなくなったが、柳井に行こうという人はわずかだがいる。この差は歴然としてきた。しかし、町並整備にあれだけ資財を投じてこの程度であれば、観光によって潤っている人はほとんどいないのではないか。今後このまま観光に力を入れて発展する道があるのか、それともこの程度で留まるのかは皆さん次第。今日は柳井とその他の事例を見ながら、柳井の良いところ悪いところ、今後の方策を率直に話したい。

事例1:愛媛県内子町の重厚な町並

内子  内子
(愛媛県内子町 八日市・護国の町並)
愛媛県商店街実態調査 県内商店街一覧
http://www2.ehime-iinet.or.jp/syotengai/index/data-index3/index.asp

事例2:滋賀県長浜のバランスの取れた商店街
奇跡の復興と呼ぶべき滋賀県長浜(人口約56,000人)は、年間200万人強の観光客が来る街となった。取り組みが始まって15年経つが、今のように賑わってきたのは、ここ5年ほどの話。しかも、今でも賑わっている通りと、全く人のいない通りというのはハッキリと分かれている。ここには柳井のように団体客向けの旗を持ったガイドさんはいない。そして観光客だけでなく、普通の人の生活と観光とがバランスよく共生・調和している状態。このようにするにはどうしたらよいのか。

長浜御堂筋  長浜表参道  ゆう壱番街

(左:昭和60年代の御堂筋、中央:平成の表参道、右:ゆう壱番街)
長浜商工会議所のHP
http://www.nagahama.or.jp/index.html

事例3:三重県伊勢の内宮と外宮
昔はビルにした方がクーラーのある店としてお客さんを呼べたが、クーラーが当たり前になった今では、趣がないビルのままだと客が入らないという現象が起きている。伊勢神宮に来る客は外宮と内宮両方に行く。最寄り駅から歩いていける外宮と、交通の不便な内宮を比較すると、交通の不便な内宮の門前町が賑わう一方、外宮の参道は寂れている。何故か?門前町では深刻化する商店街の衰退を食い止めるべく、地権者達が伊勢に相応しい古風な店構えと町並づくりに力を注いだ。外宮の参道では、黙っていても客は来るとプライド高き地権者が努力しないため、近代的などこにでもあるような商店街のままで客が寄りつかなくなった。客が来ないのは不況のせいではない。

伊勢外宮参道  おかげ横丁
(左:外宮参道、右:内宮門前のおはらい町おかげ横丁)

●観光を取り巻く環境の変化とこれからの施策●

『成熟化時代は観光が主要産業の一つ』
柳井の就業者総数は減少。製造業が続落、商業が微減。就業者の減少は東京でも同じで全国的な傾向にある。このような中、就業者数を伸ばしているのは、観光に力を入れている地域。具体的には飛騨高山、沖縄県八重山地方。共に農林漁業分野で就業者数が減少しているが、旅行を含むサービス業は高い伸び率を示している。観光産業の好調に吊られ商業を維持。共に柳井以上に交通の不便な地域である。高山は、町並の建築物自体が大工の力量を示す展示品となり、圏外からも仕事が舞い込んでいる。土産品で最も高額な物は飛騨牛で、戦略的に計画され平成元年に登場した代物。牛の飼料は全て地元産だから、お金は全て地域内に還元されている。
先進国の高い人件費を工場で賄うことが難しい中、観光産業はそれが可能。

『観光の実態』(山田圭一郎氏の講演資料より)
日本の全観光客のうち、団体客の占める割合は消費額ベースでなんと2割(平成12年)しかない。
旅行形態の多い順のベスト3は、「若い女性グループ」「子連れ家族旅行」「熟年夫婦二人旅行」。
20〜40代の日本人で、性別・年代を問わず共通して一番に上がった「旅先で参加してみたいこと」は、「疲労回復のための全身マッサージ」。都会の人間はそれだけ疲労困憊しているのが現状。
⇒すなわち、個人旅行を対象とし、マッサージを受けたような癒し効果のある旅行が求められている。

『時代は脱団体旅行!消える国境意識』
年齢別人口構成の変化によって、かつて団体旅行をしていた戦前生まれ世代の割合が減少していく。
団塊の世代以降は夫婦で行動する傾向。マイカーでしか動かない団塊ジュニア世代が中核に。
プラザ合意後、海外旅行が手頃価格になり、海外志向が急増した。海外旅行と国内旅行を同じ土俵で比較する時代に。
 例:新人類のある青年の場合→第一希望/ロンドン、第二希望/青森、第三希望/パリ。

『変わりゆく消費行動』
マズローの5段階欲求 一般事項       旅行産業       時代
生存欲求  :必要最低限の生理的欲求  暇もゆとりもなし     終戦後
  ↓
帰属欲求  :集団での仲間意識     人並みの旅行意欲     高度成長期
  ↓
被認知欲求 :集団内での自己顕示    有名観光地の旅行     安定成長期
  ↓
優越欲求  :集団内での優越意識    人が羨む旅行       バブル期
  ↓
自己実現欲求:絶対的な満足意識     感性に合う生活文化探求  現在

⇒価値観の多様化。「十人十色」から『一人十色』の時代へ。

⇒観光振興(街の賑わい)と交通の便は無関係!地域資源の有無は無関係。
  【中身と見せ方、住民の集団的な努力の問題!】
例:交通の便が悪い上関のフグ料理は今も人気。
  飛騨牛は観光産業の戦略として新しく作った。
  沖縄県八重山諸島は米国旅行よりも旅費が高くて不便なのに、
   観光産業で中国以上の経済成長率を誇る。

『柳井の観光振興 2つの戦略』
(現状)
良し悪しは別としてバブル時代に計画された道路拡幅、電柱地中化などが進められた。このような行政の努力の他に、地域住民の方が空き地に花を植えている。地元の人が一生懸命街を大事にしよう、街を良くしようという心意気が感じられ、観光客は実はこのようなところを感覚的に評価しているもの。来る度に発見があるというのは魅力。柳井の名物「金魚提灯」の金魚に代表されるように、無防備で威張らないけど華やかで粘り強いところが柳井商人のいいところ。観光客に媚びるのではなく、気に入ったら買ってもらうという微妙なバランスが表現できる街。

(今後)
・「まち」としての魅力の強化。
 徳山にはない、生活文化を売り物にしよう。
 →街並み観光の5要素「雑踏」「食の名物」「博物館もどき・特色ある小物」
  「駐車場」「B&B」を備えよう。
 →ご当地のこだわりとうんちくある自主ルールを作り、時間をかけて不純物を除去。
・日帰りから宿泊への脱皮。
 日帰りと宿泊では客単価が10倍違う。
 →食文化の発信、地元食材使用の徹底、宿の改善。
具体的には、
・賑わい空間と生活空間のメリハリをつけながら織り交ぜるといい。
・団体バス用の駐車場はがら空きなのに、個人用の駐車場は分かりづらく、どこに止めてよいのかわからない。このままでは地域に一銭も落ちずに素通りされてしまう。
・飲食店が一軒しかなく、残念なことに地域色はない。金魚提灯や甘露醤油が生活の一部として外部から見えるといい。
・どんな人がどんなところをどのように使用しているのか、見せる工夫が必要。
・路地裏や水辺空間の有効活用。

事例4:兵庫県出石町のターゲットを絞った観光戦略
人口1万人の町。旅行客を団体客、個人客単価低、個人客単価高(1割)の3種に分け、観光ルート、駐車場対策、土産などをそれぞれ差別化することで、年間100万人の旅行客を獲得。

出石1  出石2  出石川
(左:町のシンボル「辰鼓櫓」、中央:伝統的町家景観通り、右:出石川)

http://www.izushi-tmo.com/izushi_tmo/index.html
http://www.izushi-tmo.com/map/index.html
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/03uesaka.htm

【施策のポイント】
セグメンテーション(客の細分化):客をどのように分類(多様化に応えて需要を満たす)し、
ターゲティング(狙い付け):どんな層にどんな物を用意するか、
ポジショニング(位置づけ):客にとって自分はどんな存在か、相手の立場に立って考える。

旅行者は、手軽に非日常のライフスタイルを疑似体験したい。
⇒地域独自の生活文化を楽しみたい。
 地元の人が普通にしている特別なことが観光客にウケる。
 ユニークで楽しそうな生活をしている地域には、不便でもお金を掛けて出かける。

【観光の担い手3つの条件】
・自らが自らのお金で旅行をして、外を見ることが大事。
  一番の問題は、旅行産業の担い手が旅行していないことが問題。
  他の業界には見られない現象。
・年齢、性別を対等に扱い、尊重する。
  マーケティングの感性が鈍くてはいけない。
・自分の都合より、客の都合を優先する。
  国内外の他の観光地に競争負けする。地域全体での地道な努力あるのみ。

【先行事例】
・北海道十勝地方
  温泉付ホテル+食や花を核とした田園観光+地産地消の屋台村+各種美術館で活性化。
・新潟県村上市
  温泉旅館+町屋の「内側」を見せる街並み観光+地域特有の食で人気急上昇。
・鳥取県智頭町
  過疎山村の集落単位の集客事業への取り組み+エコツーリズムで驚愕の効果。
・山口県長門市俵山温泉
  4連泊ツアーを受け入れ、萩・津和野・山口・秋吉台・下関などの周遊の基地に。
・高知県高知市
  300年続く巨大日曜市を足がかりに、商店街型フードコートや飲食街で集客。
・沖縄県八重山地方
  エコツーリズムと「短期定住」客向けの地産地消で、地域経済が3年連続二桁成長。

講演アンケートの結果@柳井(Word 36KB)

柳井市平成16年度予算
http://www.city-yanai.jp/siyakusyo/zaisei/%E4%BA%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81/%E5%B9%B3%E6%88%90%EF%BC%91%EF%BC%96%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E5%BD%93%E5%88%9D%E4%BA%88%E7%AE%97%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%81%EF%BC%88%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%EF%BC%89.pdf

周辺関連資料
2003Jan.13 周東町での合併問題に関する講演
http://www.bocho-shinbun.com/news/20030113newspage/news02.htm
posted by ComPus 地域経営支援ネットワーク at 05:20| Comment(0) | TrackBack(3) | 地域レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月03日

2005Feb.05 道後商店街(愛媛県松山市)

松山市内の商店街は、市内中心部にある大街道商店街と道後温泉入口に位置する道後商店街の2箇所に集約されつつあるようだ。
全国の商店街では、地域特性もなく味気ない千円ショップが散見される。この道後商店街も例外ではない。しまなみ街道開通の交流人口が収束してから、閉店する店に代わって千円ショップが数店登場している。その一方で、2004年10月下旬、昔ながらの町屋を改装した何とも素敵なお店『道後の町屋』が、商店街中ほどにOPENした。ご主人は会社勤めする中、奥様の三好冨美子さんが運営しているベーカリー・カフェ・ギャラリーである。

道後の町屋正面  道後の町屋入口  道後の町屋通路

三好さんのお話によると、改装工事を地元デザイナーに頼み、店内にある骨董品も元々この建物にあった物を活用しているそうだ。中には雨戸をカウンターの横板に使ったり、入口を吹き抜けにして広げたり、といった工夫も見られ、趣の良さに私も吸い込まれるようにしてお店に入った。
店を始めたきっかけは、元々貸していた店舗が閉店することになり、夫婦で話し合った結果が今のお店となった。素敵なことに近所の観葉植物を販売する知人やその他の工芸品商品を、チラシとともに店内に配置しているので、地域経済にも貢献している。ギャラリーとなっている奥の間でも珈琲をいただくことができ、何か特別な客になったような錯覚に陥る。この部屋はちょっとしたイベントもできるくらいのスペースがあり、これまで何度か催しをしたということだったが、お店が想定以上に忙しくなり、腰をすえて定期開催するにはもう少々時間が必要のようだ。
部外者の勝手な意見だが、市内の愛媛大学や松山大学の学生にイベントを任せられるようになったら、若手と地域との交流が生まれ、将来素敵な人材がここから出発するかもしれない。それぐらい人を惹きつける空間に仕上がっている。実際、三好さんのお嬢さんや岐阜県出身の学生さんなどがアルバイトをしている。

道後の町屋奥間    道後の町屋奥間飾り
       道後の町屋奥間より通路    道後の町屋中庭


なお、松山はこれからNHKの大河ドラマとなる司馬遼太郎の「坂の上の雲」を観光に活かそうと取り組んでいる。詳しくは、「愛媛 資料編(その他)」参照のこと。


  <参考>

大街道商店街の紹介記事(全国商店街振興組合連合会のHPより)
http://www.syoutengai.or.jp/genki/ehime/345/345.htm
四国の元気な商店街一覧
http://www.syoutengai.or.jp/genki/#sikoku
司馬遼太郎の「坂の上の雲」紹介サイト
http://www5d.biglobe.ne.jp/~atwebkc/sikisikitop.htm
posted by ComPus 地域経営支援ネットワーク at 05:56| Comment(0) | TrackBack(1) | 地域レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年03月02日

愛媛 資料編(えひめ町並博2004)

えひめ町並博2004公式HP
http://www.machinamihaku.jp/main.phtml

旅南予 町並ウォーカー
http://www.tabinanyo.jp/
posted by ComPus 地域経営支援ネットワーク at 05:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 地域レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

愛媛 資料編(その他)

えひめのビジョン(愛媛県)
http://www.pref.ehime.jp/vision.html
地域振興・ふるさとづくり(愛媛県)
http://www.pref.ehime.jp/CatgmList.jsp?cat_Id=34
愛と心のネットワークづくり
http://www.pref.ehime.jp/030kenminkankyou/120kenminkatsudou/00005396040730/index.html
えひめフィルム・コミッション(素晴らしい!)
http://www.pref.ehime.jp/ehimefc/index.jsp
松山圏域
http://www.pref.ehime.jp/main/zenbun/4-2-1-4.htm

松山市の『坂の上の雲』のまち再生計画 企画書
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiikisaisei/kouhyou/040621/dai1/179toke.pdf
同特集記事(日本政策投資銀行の機関誌「かたりすと」2004Aug.号より)
http://www.dbj.go.jp/japanese/download/pdf/catalyst/cata18.pdf
「坊ちゃん列車」と地域公共交通によるまちづくり(同誌2002Mar.号より)
http://www.dbj.go.jp/japanese/download/pdf/catalyst/cata11.pdf
★New!★松山市をオムニバスタウンに指定【国土交通省及び警察庁が連携して、バスを活用したまちづくり構想を支援】2005Mar.30
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha05/09/090330_2_.html
道後温泉を活かした街づくり(同誌2001Nov.号より)
http://www.dbj.go.jp/japanese/download/pdf/catalyst/cata10.pdf
松山の課題と展望(同誌2001Feb.号より)
http://www.dbj.go.jp/japanese/download/pdf/catalyst/cata07.pdf
四国における県都の役割(同誌2000Dec.号より)
http://www.dbj.go.jp/japanese/download/pdf/catalyst/cata06.pdf

posted by ComPus 地域経営支援ネットワーク at 05:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 地域レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月26日

2005Jan.24 新春経済講演会in沖縄

題目:新春経済講演会
http://www.okinawakouko.go.jp/news/2005/20050119.htm
主催:沖縄振興開発金融公庫
http://www.okinawakouko.go.jp/
挨拶: 同公庫 八木橋惇夫 理事長

八木橋理事長  講演  会場

<沖縄県内経済の動向>
入域観光客数:2004年 過去最高515万人
全般:概ね回復の動き
建設関連:公共投資の減少の見込み
住宅建設:上昇に転ずる材料乏しい
個人消費:空港外免税店開店 全般的に緩やかな景気回復
沖縄の役割:東南アジアの架け橋(万国津梁)
沖縄振興開発金融公庫の役割:金融アドバイザー、情報サービス機能の強化

県内企業景況調査(2004.10~12月期実績、2005.1~3月期見通し)
http://www.okinawakouko.go.jp/report/pdf/ken200501.pdf
設備投資計画調査結果(2004.9月調査)
http://www.okinawakouko.go.jp/report/pdf/inv200409.pdf
沖縄総合事務局農林水産部統計調査課 統計資料>市町村の概要(平成16年)
http://ogb.go.jp/nousui/statistics/index.htm

講演:企業経営で創り出す『沖縄の時代』
   〜日本政策投資銀行地域企画部 藻谷浩介 参事役
http://www.compus.ne.jp/partners/04partners.html
http://www.okinawakouko.go.jp/news/2005/pdf/20050119.pdf

沖縄県内の人口動態の現状分類(2000年4月→2003年3月)
 カテゴリー1:人口自然増減率、人口社会増減率が共にプラスの地域
       沖縄市、那覇市、八重山、名護市
 カテゴリー2:人口自然増減率がプラス、人口社会増減率がマイナスの地域
       宮古市(インフラ整備のやり過ぎ)←差し引きマイナス
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1.少子高齢化の本当の問題点…日本の人口−過去とこれから

・戦後50年間で5千万人も増えた人口(百万人都市/年の増に相当)を、戦後都市開発政策によって奇跡的に吸収してきた(全国1.8倍、沖縄3倍)。
・今後50年間で人口が3~5千万人減る時代に、戦後型都市開発政策を続ければ失敗必至。
・東京は人口流入が鈍化しているが、沖縄は人口流入が増加。
・少子化は出生率低下ではなく、親の数の減少によって起こっている(半世紀前に決まっていた)。2020年には子供を生む年齢層は今より4割減→生まれる子供も普通は4割減。出生率をいくら上げても団塊世代退場の穴を埋めるほどの数は生まれない。
・東アジア全域で進む出生率低下。中国全土では2030年から減少→東南アジアから中国への移民が増加(=日本は相手にされない)。
・実は日本の高齢者は少なく、手間の掛かる老人と子供が少ないので国力は強い。
       2000→2020年(全国)  2000→2020年(沖縄) 2000→2020年(首都圏)
 70歳以上 +1,166万人(+78%)  +16万人(2.3倍)  +319万人(2.2倍)
 20~59歳  −961万人(−14%)     ±0         −153万人(−9%)
 15~34歳  −953万人(−28%)    −6万人(−16%)  −250万人(−28%)
・高齢化問題とは、今の70代に比べて50代(20年後の70代)の人数が非常に多いということ。今から出生率が上がっても間に合わない。少子化問題と高齢化問題は分離して考えるべし。首都圏の高齢化は深刻。
・沖縄でも10年遅れで深刻な高齢化が進む。→2030年に著しく増加!特に人口が順調に増加している郊外住宅地区は、急速な高齢化により福祉負担が激増する。⇒要対策!
・過去30年の少子化により、構造的な土地デフレが起きる。
  要因:急速に飽和した住宅需要
     オフィス需要の低下継続
     土地供給、床供給の増加
  予測:供給過剰による土地本位制の崩壊
  間違った対策:×容積率緩和で地価を維持
         ×金融の量的緩和
         ×少子高齢化で外国人労働者を増やす
         ×一人当たりの床面積需要は増えるはず
   ⇒小手先の対策では避けられない。
・今後の住まい方の傾向と懸念
  老人世帯が広域の郊外分散した状態で、空き家が増加する。
    ⇒財政制約下での介護効率の悪さ
  安易な郊外開発
    ⇒郊外土地供給過多による土地デフレ→固定資産税減少、財政破綻
  地域産業の維持は可能か
  子育て世代減少が住宅投資減少に直結
⇒打開策:SmartDecline(賢い縮小)が必要
  要素1)郊外の再編集(拠点集中+再田園化)
  要素2)容積率削減→と真空管の原則中層化(高層住宅のスラム化回避)
  要素3)次世代に残せる質の建物ストックの形成

2.グローカル競争のパラダイムシフト

【生産競争=値下げ競争】から【消費誘発競争=値上げ競争】へ

・日本は、国際収支の貿易黒字が長年続き、外国から金を稼ぎ続けている。
  1990年:15兆円の貿易黒字のみ、サービス赤字2兆円
  2005年:12兆円の貿易黒字+所得黒字8兆円=20兆円の黒字、サービス赤字3兆円
   日本は本当に不景気か?
・大量生産低価格販売が内需崩壊を招く。GDPの9割は内需である。なのに内需が地域内循環せず不健全。
・生産性はどうやったら向上するのか?
  付加価値額(利益と地域還元されるコスト)を増やすことをせずに、人員削減のみで生産性を向上させるのは間違い。
  ⇒商品単価上昇こそが、付加価値を向上させる。
   経営技術(マーケティング◎、ファイナンス○)の改善。
・単価向上を実現する経営技術
  多様な顧客をターゲット、付加価値を差別化した少量生産少量販売。
・デフレ脱却のための重要な経営技術「価格差別化」
  ●セグメンテーション+ターゲティング(顧客細分化と狙い付け)
  ●顧客から見たポジショニング分析(不振企業の共通原因)
・地域産業の生産性を高める産業クラスターの4要素(マイケル・ポーター)
  ○産業支援企業・機関
  ○厳しい地域内競争
  ●優れた地域内市場←最重要(観光立国スイスでは何と4割が国内旅行者!⇒高品質)
  ○地域からのインプット
洗練された需要を持つ顧客が非常に重要! 地域内顧客の育成

3.集客交流産業を襲う市場構造変化

脱団体・脱交通インフラ時代への用意が必要

・地域経済と地域市場に対する観光産業の貢献度は実は高い。
  ツーリズム消費額(2003年統計) 計28.6兆円、GDPの内12兆円(2.4%相当)
  ツーリズム消費の生み出す雇用 210万人(3.2%)
  海外旅行42千億円。この1%が沖縄旅行に切り替えたら420億円のプラス!
・沖縄のほとんど島で商業+サービス業の伸びは全国平均を上回る。
  特に交通不便な孤島の雇用が大幅増。 
・全国では宿泊客3割減(世界的に極端に少ない年間宿泊数3.9泊)。
  観光不振の真因は他娯楽との競争における敗北。
・観光客のうち団体客の占める割合(H12消費額ベース)は、今や2割!
  団体客減少を招いた世代交代(団体ツアーは戦前生まれの高齢者が主流)。
  ⇒時代は個人旅行者しかいない時代へと変化。
・持続可能な沖縄観光3つの戦略
 ●脱団体時代に向けた観光業者の経営革新促進(沖縄中毒の個人旅行者を狙う!)
   地元100%サービス、海外海洋リゾートとの差別化
 ●最大の観光資源「独自の生活文化」を維持(食品、芸能など)
 ●インフラ整備より景観再生に重点
 ⇒高くて不便で特別な、本土との差別化が、自然と経済の両立社会を導く。
   (ただし観光産業依存では駄目。スイスは金融と食品産業が隆盛)
  ご当地独自(非日常性)の生活文化でリピーターを創れ!
  景観整備と車社会の見直しで客単価up。

4.「沖縄本店経済」の可能性

・国土デザインの主流は日本のようなメインフレーム型から、欧米亜のサーバー&クライアント型(=国際標準)
・アメリカでは、地方都市に本社を持つ傾向が高い(例:人口20万人のアイダホ州ボイジー)。
⇒沖縄が「本店都市経済」=グローカルサーバーとなるための条件
 ・ネットワーク型の高速交通インフラ(万国津梁)
   全国各地に4時間以内でアクセス、国内外近隣空港活用で海外へアクセス、
   ハブ空港までの便数増加、少量高頻度輸送へ脱皮
 ・マネジメント人材の誘致・育成
   国内外にビジネスネットワークを持つ経営力ある人材の誘致、若手人材の育成
 ・公民ともに経営の時代を生き抜く、試行錯誤の繰り返しが基礎体力をつける。
posted by ComPus 地域経営支援ネットワーク at 15:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 地域レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月25日

那覇におけるコミュニティFMと地域の活性化

ここ数年、まちづくりに関連し、「コミュニティFM」が全国各地で盛り上がっている。
ここ那覇では、”地域情報と観光情報エージェント”として「エフエム那覇」というFM放送局が2002年7月に開局された。幸いにも同社K氏が、面識もないこちらの申し出に快く応じてくれ、雨の中、別ビルにあるサテライトスタジオなどを案内して下さった。ここでは、エフエム那覇の活動と地元商店街の取り組みなどについてレポートする。

CIMG2327.JPG   CIMG2558.JPG   CIMG2338.JPG
(左:エフエム那覇、中央:商店街内向け情報紙他、右:栄町市場の生ごみ回収箱)

1.エフエム那覇の活動

エフエム那覇は、中心市街地の活性化において、重要な役割を担っている。地域コミュニティの中で、特に商店街(ウチナー語で“まちぐぁー”)の支援に重点を置いている。仕事をやりながら耳にすることができるという、ラジオの長所を活かした戦略だ。エフエム那覇の特徴を述べた後、2つの活動を紹介する。

<エフエム那覇の特徴>
エフエム那覇は単なるラジオ局ではない。目的が「地域の活性化」と明確であり、情報発信はもちろんだが、情報の吸い上げに注力していることが伺え、情報の循環をしながら目的の達成を目指していることがわかる。自身を「地域情報メディア」と位置づけ、ターゲットを住民と観光客の2つに絞っている。地域ポータルサイト「My小金井」や日本初のエコ専門ラジオ放送局「Radio KISAR(ラジオ・キサラ)」のように、どちらかのターゲットに絞った地域情報メディアとも異なり、「地域情報と観光情報はリンクしているべき」という問題意識が画期的で、那覇の特徴を活かしている。確かに、観光地には観光情報が無数にあるが、観光客が観光以外の地域産業情報を入手することは困難で、そのような地場産業関係者にとっては「観光客ばかり増えても、地域にお金が落ちないばかりかゴミの増加や環境悪化で困る」という事態が各地で起きている。この点でエフエム那覇は、全国各地の観光地商店街にとって参考となる代表事例と言えるだろう。携帯電話を有機的に活用した参加型ウェブサイトを得意とするところも、注目に値する。

株式会社エフエム那覇
http://www.fmnaha.jp/

(1)携帯電話で閲覧可能な店舗情報の発信支援
エフエム那覇は2004年9月、市内店舗の最新情報を発信するポータルサイト「みせPasha那覇」を開設した。喜友名智子氏は同社で企画営業兼傷害担当をしており、琉球新報の取材に「地元の人が自分たちで情報発信する仕組みを作りたい。一店舗だけでは情報発信は難しいが、那覇という商業集積地としてアピールできれば」(2004Sep.30付同紙より)と語っている。自社ホームページを持たない小規模・零細事業者が、店内の様子やスタッフ紹介、特売情報などをカメラ付携帯で手軽に情報を発信でき、マーケットに広くアピールできるようになっているほか、アクセスランキングで自身のポジションを確認したり、求人広告を掲載したりすることも可能だ。利用客はこの「みせPasha」を通じて、店の予約やゲストブックへの書き込みができる点も優れている。月額サービス料5.250円、お試し価格や長期割引料金あり。

FMなはが運営する、店舗の宣伝ポータルサイト「みせPASHA 那覇」
http://www.misepasha.jp/index.php

(2)那覇市との連携、商店街間の結び付け支援
エフエム那覇は行政との協働として、ラジオ番組「情報PACKなは78Nafa」を放送しており、その中で那覇市政に関する情報や、市職員の人や仕事を紹介している。行政の情報公開というと、昔からある広報紙に、最近になってインターネットが普及した程度に留まる印象を持つが、コミュニティFMの登場で音声による媒体の活用が可能となった。メディアミックスを使いながら、顔の見える行政に取り組んでいるところが興味深い。那覇市広報班の方ともお会いしたが、民間出身という経歴から、多様且つ活発なネットワークを持ちながら、周囲を上手に活用している印象を受けた。
エフエム那覇の喜友名智子氏は、業務外活動や人脈も相まって、まちづくりコーディネーターの役割も担っている。「那覇市中心商店街なはまち有志」の方々と連携をとり、これまでバラバラに活動していて連携のなかった各商店街同士を結び付けることをサポートしている(この活動は後ほど紹介する)。

那覇市役所広報室とのコラボレーション!
http://www.fmnaha.jp/city/index.htm


2.地元商店街の取組み

那覇商工会議所を中心としたTMOや、その他のNPOや有志が、地元商店街の活性化に向けて取り組んでいる。ただ、先述のとおり各商店街間の横の連携がなく、お互いが何をやっているのか見えない状態だった(喜友名智子氏談)。これが最近になって少しずつ改善されてきたようだ。
例えば、那覇市中心商店街なはまち有志の方々により、「情報の共有化による商店街の活性化」を目的として、域内内部情報紙「な〜ふぁかわら版」を毎月発行することになった(2004Dec.13より開始)。この掲載内容は、次のとおり(第1号より抜粋)。なお、エフエム那覇は、この紙面の一部を担っている。

 1.各通り会紹介(シリーズ)
 2.頑張っている店・人(シリーズ)
 3.市民の声(シリーズ)
 4.なはまちの歴史(シリーズ)
 5.トピック紹介(随時)
 6.イベント紹介(随時)
 7.なはまち川柳大賞(募集、紹介、年2回は大会予定)

特に、注目すべきは那覇市役所がとった観光統計の「観光客の声」を載せており、ある市場の問題点が指摘されていた。その一方でいい取り組みも紹介されているので、自浄・活性化作用を促すメディアとして潤滑剤となることが期待される。新参者には、歴史の紹介も嬉しい。

観光客には牧志公設市場が有名だが、栄町市場(最寄駅安里から徒歩1分)も頑張っているとのこと。この市場は経済産業省の委託を受け、那覇市とヤンマー沖縄(株)が生ごみ問題を解消のために時限的に「生ごみ回収ボックス」を設置する試みを実験している(上記写真参照)。また、早稲田商店街のような空き缶回収機も設置されている。
沖縄の市場は、どこか台北の市場を連想させ、アジア的な活気に満ちているように私は感じた。

また、なはまちでは次のような取り組みがある。
(以下、「」内は日本商工会議所のニュース2004Jan.26付より)

「 那覇商工会議所などで構成する、なはTMOでは現在、ホームページ“なはまち”を核に、『なはまちプロジェクト』を推進している。

 “なはまち”は、商業者・観光客・移住者という三者の視点から編集されており、店舗紹介、イベント情報、沖縄初モノレール情報のほか、新規開業のリアルケースを紹介するなどコーナーも多彩。充実した情報の発信および交換の場として、那覇市中心市街地のまちづくりに役立っている。

 『なはまちプロジェクト』では、2004年に「なはまち大使」制度を設け、全国からの登録者を募集。さまざまなアイデアや意見を収集し、さらなるまちぐわー(商店街)の活性化を目指している。」

なはTMOが発信する市場情報「なはまち」
http://www.nahatown.com/
「なはまち」では、商店街での商売支援の一つとして、事例紹介をしている。
http://www.nahatown.com/hito/shopopen/index.html
那覇map

上記以外にも、地域密着型のまちづくりNPOが、活発に活動しており、那覇の元気を盛り上げています。

NPO法人まちなか研究所わくわく(運よく理事長の小阪亘氏とお会いできました)
http://www.machiwaku.com/gaiyou_o.htm
同団体は、タウン誌発行、牧志第二公設市場跡地整備への参画↓や、市民農園づくりなどを展開。
http://www.machiwaku.com/atotiws/top.htm
(顧問には、大久手計画工房の伊藤雅春代表もいらっしゃいます。)

那覇市 経済・産業の関連情報
http://www.city.naha.okinawa.jp/kurasi/kiban_keizai.htm


3.那覇でのNPO活動や環境運動 交通対策について

那覇NPO活動支援センター
http://www.city.naha.okinawa.jp/npo/index.htm
てんぶす那覇(てんぶすとは「へそ」の意)
http://www.tenbusu.jp/index.html


地元密着で成功するベンチャー出版社チャイルドフッド(NHK教育 21世紀ビジネス塾より)
http://www.nhk.or.jp/business21/bangumi/0407/index4.html
posted by ComPus 地域経営支援ネットワーク at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 地域レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月20日

2005Feb.14 兵庫・新潟観光カリスマ会議

兵庫・新潟観光カリスマ会議

 震災で打撃を受けた地域を観光産業から盛り上げていこうと、被災地の観光リーダーたちが話し合う「兵庫・新潟観光カリスマ会議」が14日、東京・霞が関の国土交通省で行われた。民間レベルでの観光業の復興マニュアルづくりを提案したほか、イベント開催などでも連携していくことを確認した。
 観光カリスマは同省などが2003年から、地域の観光発展に尽力した人を対象に選定している。会議は、観光カリスマ間で互いのノウハウを活用し合おうと、村上町屋商人会長の吉川真嗣さんが呼びかけ、本県から南魚塩沢町の民宿経営小野塚喜明さんと、刈羽高柳町の春日俊雄総務課長が参加、兵庫県からも4人が出席した。

[新潟日報 02月14日(月)]
( 2005-02-14-19:47 )

兵庫の観光カリスマ 新潟の観光カリスマ

【新潟の観光カリスマ(敬称略)】
吉川真嗣(きっかわしんじ)@村上市
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/06kikkawa.htm
小野塚喜明@塩沢町
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/06onoduka.htm
春日俊雄@高柳町
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/02kasuga.htm
矢野学@旧安塚町
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/02yano.htm

【兵庫の観光カリスマ】
金井啓修@神戸市
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/06kanai.htm
上坂卓雄@出石町
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/03uesaka.htm
西村肇@城崎町
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/04nishimura.htm
田中まこ@神戸市
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/05tanaka.htm
井上重義@香寺町
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/06inoue.htm
細尾勝博@八千代町
http://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/kanko/01hosoo.htm

新潟県観光復興会議(国交省)
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha04/01/011126_.html


【NHK総合「難問解決!ご近所の底力」より災害対策一覧】

2004年1月29日放映 大地震に備える
http://www.nhk.or.jp/gokinjo/backnumber/040129.html
2004年7月1日放映 大地震 避難の極意
http://www.nhk.or.jp/gokinjo/backnumber/040701.html
2004年10月28日放映 水害対策
http://www.nhk.or.jp/gokinjo/backnumber/041028.html
2005年1月20日放映 大地震に備える
http://www.nhk.or.jp/gokinjo/backnumber/050120.html
2005年2月10日放映 津波対策
http://www.nhk.or.jp/gokinjo/backnumber/050210.html
posted by ComPus 地域経営支援ネットワーク at 00:11| Comment(1) | TrackBack(0) | 地域レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。