急激な変化と乱気流の時代にあっては、大きな流れそのものを機会としなければならない。その大きな流れは、ニュー・エコノミーではなく、ネクスト・ソサイエティの到来である。若年人口の減少、労働力人口の多様化、製造業の変身、企業とトップマネジメントの機能・構造・形態の変容である。この局面に応じた戦略なくして成功はありえない。         −P.F.ドラッカー(要約)

2005年06月01日

大隅半島と鹿児島市の中心市街

職場の仕事で鹿児島県の鹿屋市(大隅半島)、薩摩湾を挟んで反対側の鹿児島市(薩摩半島)へ行ってきた。訪問地で見聞きしたことをここにレポートする。

1)大隅半島
 薩摩湾の東側に位置する大隅半島は、JRが廃線になった後はまさに陸の孤島。裏を返せば開発が遅れた分、自然が豊富で、農業は県内随一。中には蛤の陸上養殖をするなど、決して技術が遅れているわけではない。
 驚くことに、この交通不便な土地(鹿屋市は薩摩湾北方の鹿児島空港からタクシーで一時間以上)にも関わらず、海外留学、国際結婚が珍しくない。理由はグリーンツーリズムの先駆け的活動であり、なおかつ国境を越えた交流である『からいも交流』にある。これは、かつて中国からさつまいも(からいも)が日本に入り全国へと広がる薩摩の財産となったように、鹿児島に来る留学生を第二のからいもとして位置づけ、農村ホームステイによる交流を通じながら、留学生との絆を地域の財産としたことに端を発する。1982年に始まったこの活動は2000年には70ヶ国3,000人以上の留学生を受入れ、今もなお草の根の国際交流として続く。

↓からいも交流の主催者(財)カラモジア
http://www5.synapse.ne.jp/karamosia/toha.htm

 今でこそ長野や岩手など、グリーンツーリズムがもてはやされているが、グリーンツーリズムという概念がない頃から、しかも留学生とはいえ言葉が通じない外国人を泊めるというのは、大変な発想の転換が必要だった。このような転換が可能となったのは、この土地では過疎化、高齢化、農業を基盤とした生活に対する危機が既に起こっていたことが大きな理由と言えるだろう。そしてこれを無事に受入れた地域の人々は、外国人といううってつけの鏡を通すことで、大きな自信を取り戻し、外に向かって開かれたネットワークを構築することに。今では対象とする留学生も、全国の大学からやってくるそうだ。
 また、大隅半島の南部に位置する根占町では、4桁もの人がくるドラゴンボート祭り、ど田舎の未来を考えるという異業種交流会「ねじめサミット」(毎年2月開催)があるなど、まちづくりの活動が活発な印象を受けた。「ねじめサミット」には東京からの来訪を含め550名もの人が集まるそうで、根占で知り合った東京の参加者が「ねじめ東京サミット」を立ち上げ、こちらは毎年5月にあるとか。コンパスとの共同開催も面白いと商工会会長の肥後さんと話が盛り上がった。九州最南端の高校「南大隅高校再生プロジェクト」の話なども持ち上がっており、今後が楽しみな地域である。

↓第五回ねじめサミットの様子
http://www.synapse.ne.jp/nejimecho/depart/kikaku/kikaku.index.html


2)鹿児島市の商店街とウォーターフロント
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 目抜き通りである天文館を歩いたが、平日の昼間だというのに人通りが多い。そして商店街を覆うアーケードが非常に広い範囲にわたっていると感じた。中には最近できたばかりのアーケードもあるようだ。最新のものは日の明るさをできるだけ内部に取り入れられるようになっているようで、他のアーケード街よりも明るい印象(写真参照)。また、商店街にはベンチなどがところどころに配置されており、歩き疲れた買い物客には嬉しい配慮である。

↓天文館商店街
http://www.or.tenmonkan.com/
↓天文館どっとこむ
http://www.tenmonkan.com/newindex/

 天文館に入ってすぐ、魅力的なお店を見つけた。店の名は「菓々子横丁」(薩摩蒸気屋が経営)。店の中を狭い路地のように一本の通路が横切っており、向こう側の通りまで通り抜けできる。路地にはベンチ、真ん中あたりに吹き抜けと噴水があり、吹き抜けを境に手前と奥とでまた趣が違う。2階はお洒落な和風喫茶とギャラリー。喫茶では、お店のお菓子がいただける。このほか脇道にもお洒落で個性的な店が軒を並べ、魅力を感じた。また商店街の外の繁華街も、地元の人が言っていたが、東京の赤坂と遜色ないぐらい賑やかである。

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↓菓々子横丁
http://www.tenmonkan.com/shopdb/shopdb.php?shopid=892

 市電の天文館停留所から東へ向かうと4月にオープンしたたばかりというウォーターフロントのショッピングモール「ドルフィン・ポート」(2階建)がある。飲食店と土産物屋がほとんどだが、海側の木でできたデッキから優美な姿の桜島見えて気持ちがいい。2階はほとんどオープンテラスである。嬉しいのは、全国的なチェーン店が入っているものの、山形屋の食品店、鹿児島の焼酎をずらりと並べた店舗(薩摩酒蔵)など、店の半数近くが地元の店舗であるということ。開発をした企業を見て納得。山形屋(地元の百貨店)を中心とした企業連合が開発している。店のほとんどが全国チェーンで埋まらなかったのは、県外から来る観光客にとっても魅力がある。バリアフリーが配慮されているところも嬉しい。訪問した時間帯のせいかそれほど賑わった感じはしなかったが、近隣にこのような施設がないため競争力はある。居心地の良さや新鮮味を保ち、多様な世代をターゲットとすれば、地元の人から愛される場所として定着するのではないだろうか。

CIMG0067.JPG CIMG0066.JPG
ドルフィン・ポート
http://www.dolphinport.jp/
posted by ComPus 地域経営支援ネットワーク at 07:00| Comment(0) | TrackBack(3) | 地域レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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