急激な変化と乱気流の時代にあっては、大きな流れそのものを機会としなければならない。その大きな流れは、ニュー・エコノミーではなく、ネクスト・ソサイエティの到来である。若年人口の減少、労働力人口の多様化、製造業の変身、企業とトップマネジメントの機能・構造・形態の変容である。この局面に応じた戦略なくして成功はありえない。         −P.F.ドラッカー(要約)

2005年02月26日

2005Jan.24 新春経済講演会in沖縄

題目:新春経済講演会
http://www.okinawakouko.go.jp/news/2005/20050119.htm
主催:沖縄振興開発金融公庫
http://www.okinawakouko.go.jp/
挨拶: 同公庫 八木橋惇夫 理事長

八木橋理事長  講演  会場

<沖縄県内経済の動向>
入域観光客数:2004年 過去最高515万人
全般:概ね回復の動き
建設関連:公共投資の減少の見込み
住宅建設:上昇に転ずる材料乏しい
個人消費:空港外免税店開店 全般的に緩やかな景気回復
沖縄の役割:東南アジアの架け橋(万国津梁)
沖縄振興開発金融公庫の役割:金融アドバイザー、情報サービス機能の強化

県内企業景況調査(2004.10~12月期実績、2005.1~3月期見通し)
http://www.okinawakouko.go.jp/report/pdf/ken200501.pdf
設備投資計画調査結果(2004.9月調査)
http://www.okinawakouko.go.jp/report/pdf/inv200409.pdf
沖縄総合事務局農林水産部統計調査課 統計資料>市町村の概要(平成16年)
http://ogb.go.jp/nousui/statistics/index.htm

講演:企業経営で創り出す『沖縄の時代』
   〜日本政策投資銀行地域企画部 藻谷浩介 参事役
http://www.compus.ne.jp/partners/04partners.html
http://www.okinawakouko.go.jp/news/2005/pdf/20050119.pdf

沖縄県内の人口動態の現状分類(2000年4月→2003年3月)
 カテゴリー1:人口自然増減率、人口社会増減率が共にプラスの地域
       沖縄市、那覇市、八重山、名護市
 カテゴリー2:人口自然増減率がプラス、人口社会増減率がマイナスの地域
       宮古市(インフラ整備のやり過ぎ)←差し引きマイナス
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1.少子高齢化の本当の問題点…日本の人口−過去とこれから

・戦後50年間で5千万人も増えた人口(百万人都市/年の増に相当)を、戦後都市開発政策によって奇跡的に吸収してきた(全国1.8倍、沖縄3倍)。
・今後50年間で人口が3~5千万人減る時代に、戦後型都市開発政策を続ければ失敗必至。
・東京は人口流入が鈍化しているが、沖縄は人口流入が増加。
・少子化は出生率低下ではなく、親の数の減少によって起こっている(半世紀前に決まっていた)。2020年には子供を生む年齢層は今より4割減→生まれる子供も普通は4割減。出生率をいくら上げても団塊世代退場の穴を埋めるほどの数は生まれない。
・東アジア全域で進む出生率低下。中国全土では2030年から減少→東南アジアから中国への移民が増加(=日本は相手にされない)。
・実は日本の高齢者は少なく、手間の掛かる老人と子供が少ないので国力は強い。
       2000→2020年(全国)  2000→2020年(沖縄) 2000→2020年(首都圏)
 70歳以上 +1,166万人(+78%)  +16万人(2.3倍)  +319万人(2.2倍)
 20~59歳  −961万人(−14%)     ±0         −153万人(−9%)
 15~34歳  −953万人(−28%)    −6万人(−16%)  −250万人(−28%)
・高齢化問題とは、今の70代に比べて50代(20年後の70代)の人数が非常に多いということ。今から出生率が上がっても間に合わない。少子化問題と高齢化問題は分離して考えるべし。首都圏の高齢化は深刻。
・沖縄でも10年遅れで深刻な高齢化が進む。→2030年に著しく増加!特に人口が順調に増加している郊外住宅地区は、急速な高齢化により福祉負担が激増する。⇒要対策!
・過去30年の少子化により、構造的な土地デフレが起きる。
  要因:急速に飽和した住宅需要
     オフィス需要の低下継続
     土地供給、床供給の増加
  予測:供給過剰による土地本位制の崩壊
  間違った対策:×容積率緩和で地価を維持
         ×金融の量的緩和
         ×少子高齢化で外国人労働者を増やす
         ×一人当たりの床面積需要は増えるはず
   ⇒小手先の対策では避けられない。
・今後の住まい方の傾向と懸念
  老人世帯が広域の郊外分散した状態で、空き家が増加する。
    ⇒財政制約下での介護効率の悪さ
  安易な郊外開発
    ⇒郊外土地供給過多による土地デフレ→固定資産税減少、財政破綻
  地域産業の維持は可能か
  子育て世代減少が住宅投資減少に直結
⇒打開策:SmartDecline(賢い縮小)が必要
  要素1)郊外の再編集(拠点集中+再田園化)
  要素2)容積率削減→と真空管の原則中層化(高層住宅のスラム化回避)
  要素3)次世代に残せる質の建物ストックの形成

2.グローカル競争のパラダイムシフト

【生産競争=値下げ競争】から【消費誘発競争=値上げ競争】へ

・日本は、国際収支の貿易黒字が長年続き、外国から金を稼ぎ続けている。
  1990年:15兆円の貿易黒字のみ、サービス赤字2兆円
  2005年:12兆円の貿易黒字+所得黒字8兆円=20兆円の黒字、サービス赤字3兆円
   日本は本当に不景気か?
・大量生産低価格販売が内需崩壊を招く。GDPの9割は内需である。なのに内需が地域内循環せず不健全。
・生産性はどうやったら向上するのか?
  付加価値額(利益と地域還元されるコスト)を増やすことをせずに、人員削減のみで生産性を向上させるのは間違い。
  ⇒商品単価上昇こそが、付加価値を向上させる。
   経営技術(マーケティング◎、ファイナンス○)の改善。
・単価向上を実現する経営技術
  多様な顧客をターゲット、付加価値を差別化した少量生産少量販売。
・デフレ脱却のための重要な経営技術「価格差別化」
  ●セグメンテーション+ターゲティング(顧客細分化と狙い付け)
  ●顧客から見たポジショニング分析(不振企業の共通原因)
・地域産業の生産性を高める産業クラスターの4要素(マイケル・ポーター)
  ○産業支援企業・機関
  ○厳しい地域内競争
  ●優れた地域内市場←最重要(観光立国スイスでは何と4割が国内旅行者!⇒高品質)
  ○地域からのインプット
洗練された需要を持つ顧客が非常に重要! 地域内顧客の育成

3.集客交流産業を襲う市場構造変化

脱団体・脱交通インフラ時代への用意が必要

・地域経済と地域市場に対する観光産業の貢献度は実は高い。
  ツーリズム消費額(2003年統計) 計28.6兆円、GDPの内12兆円(2.4%相当)
  ツーリズム消費の生み出す雇用 210万人(3.2%)
  海外旅行42千億円。この1%が沖縄旅行に切り替えたら420億円のプラス!
・沖縄のほとんど島で商業+サービス業の伸びは全国平均を上回る。
  特に交通不便な孤島の雇用が大幅増。 
・全国では宿泊客3割減(世界的に極端に少ない年間宿泊数3.9泊)。
  観光不振の真因は他娯楽との競争における敗北。
・観光客のうち団体客の占める割合(H12消費額ベース)は、今や2割!
  団体客減少を招いた世代交代(団体ツアーは戦前生まれの高齢者が主流)。
  ⇒時代は個人旅行者しかいない時代へと変化。
・持続可能な沖縄観光3つの戦略
 ●脱団体時代に向けた観光業者の経営革新促進(沖縄中毒の個人旅行者を狙う!)
   地元100%サービス、海外海洋リゾートとの差別化
 ●最大の観光資源「独自の生活文化」を維持(食品、芸能など)
 ●インフラ整備より景観再生に重点
 ⇒高くて不便で特別な、本土との差別化が、自然と経済の両立社会を導く。
   (ただし観光産業依存では駄目。スイスは金融と食品産業が隆盛)
  ご当地独自(非日常性)の生活文化でリピーターを創れ!
  景観整備と車社会の見直しで客単価up。

4.「沖縄本店経済」の可能性

・国土デザインの主流は日本のようなメインフレーム型から、欧米亜のサーバー&クライアント型(=国際標準)
・アメリカでは、地方都市に本社を持つ傾向が高い(例:人口20万人のアイダホ州ボイジー)。
⇒沖縄が「本店都市経済」=グローカルサーバーとなるための条件
 ・ネットワーク型の高速交通インフラ(万国津梁)
   全国各地に4時間以内でアクセス、国内外近隣空港活用で海外へアクセス、
   ハブ空港までの便数増加、少量高頻度輸送へ脱皮
 ・マネジメント人材の誘致・育成
   国内外にビジネスネットワークを持つ経営力ある人材の誘致、若手人材の育成
 ・公民ともに経営の時代を生き抜く、試行錯誤の繰り返しが基礎体力をつける。
posted by ComPus 地域経営支援ネットワーク at 15:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 地域レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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